国営農地再編整備事業
◆愛別町農業の現状と課題
愛別地区は、北海道中央部の上川郡愛別町に位置し、石狩川及び愛別川流域の平地に広がっている水田地帯です。
地域の農業は、水稲(うるち米、もち米)を主体としながら、小麦や大豆等の畑作物、きゅうりやアスパラガス等の野菜類のほか、飼料作物として新規需要米(飼料用米、稲発酵粗飼料用稲)等を作付けしています。
地域では、農家の高齢化や農家戸数の減少が進行している一方で、離農跡地の継承による規模拡大も進んでいるため、地域農業の担い手による効率的な営農体系の構築に向けた機械の共同利用体制の強化による低コスト生産を目指しています。
しかし、地区内のほ場は、小区画で排水不良も生じているため、機械作業の効率が悪く現状の生産基盤のままでは機械の共同利用による生産コストの削減が実現できない状況となっています。さらに、地区内の農地の一部で耕作放棄地が発生して、今後、耕作放棄地が増加するおそれがあります。
このため、本事業では、区画整理1,253haを施工し、耕作放棄地を含めた農地の土地利用を計画的に再編し、さらに、担い手への農地の利用集積を進めることにより、緊急的に生産性の向上と耕作放棄地の解消・発生防止による優良農地の確保を図り、農業の振興と地域の活性化に資することを目的としています。
◆事業採択までの経過
平成23年 3月 | 愛別地区国営緊急農地再編整備事業推進協議会設立 愛別地区国営緊急農地再編整備事業促進期成会設立 |
平成24年 4月 | 事業調査地区決定通知 |
平成27年12月 | 閣議決定により、平成28年度国営事業等事業着手地区として愛別地区が決定。平成28年度の農村振興関係予算に事業費が盛り込まれる |
平成28年度より事業に着手 |
◆整備の概要及び進捗
計画時 | 受益戸数168戸、 受益面積 1,253ha(田1,219ha 畑34ha) |
工事計画 | 区画整理工、暗渠排水工、除礫工、支線用水路工、末端用水路工、支線排水路工、末端排水路工 |
営農計画 | 導入作物―水稲、新規需要米、小麦、大豆、そば、青刈りとうもろこし、小豆、かぼちゃ、 スイートコーン、きゅうり、アスパラガス 経営方式―個別経営20ha、組織経営75ha |
換地計画 | 換地区―愛別川工区(協和、伏古、厚生)、愛別工区(愛別)、 中愛別工区(豊里、中央)、愛山工区(愛山) |
愛別地区の事業が着工され、令和5年度で7年目となっております。
昨年度までに整備された面積は以下のとおりとなっております。
年度 | 計画 | H28 | H29 | H30 | R1 | R2 | R3 | R4 |
年度別面積(ha) | 1,253 | − | 10.0 | 98.0 | 85.0 | 97.5 | 101.0 | 93.0 |
累計面積(ha) | − | − | 10.0 | 108.0 | 193.0 | 290.5 | 391.5 | 484.5 |
整備済率(%) | 100 | − | 0.8 | 8.6 | 15.4 | 23.2 | 31.2 | 38.7 |
◆事業の効果
圃場の大型区画化(0.3ha→2.2ha)や、用水路のパイプライン化、暗渠排水等の施工による農地の質的向上が図られます。
換地処分による農地の集約化が図られ、作業の効率化やコストの削減が推進されます。
機械利用組合や法人の設立等、農作業体系の再編が推進されます。
節減された労働時間を地域で推進している高収益作物の栽培管理に充当し、所得向上を目指すことができます。